お正月休みに,品質マニュアルを完成させると令和7年のスタートが楽しくなります。

品質マニュアルのサンプル

目次
品 質 方 針 2
改 訂 履 歴 3
0.制定の目的 6
1.適用範囲 7
2.引用規格 10
3.用語及び定義 11
4.一般要求事項 15
4.1 公平性 15
4.2 機密保持 16
5 組織構成に関する要求事項 17
5.1 センターは,独立した分析試験機関 17
5.2 センター長の任命 19
5.3 適用範囲 20
5.4 分析試験活動の要求事項 21
5.5 組織, 職務及び責任及び権限 22
責任分担マトリックス表 25
5.6 品質管理者の任命 27
5.7 コミュニケーション 28
6 資源に関する要求事項 29
6.1一般 29
6.2 要員 30
6.3 施設及び環境条件 33
6.4 設備 35
6.5 計量トレーサビリティ 37
6.6 外部から提供される製品及びサービス 39
7 プロセスに関する要求事項 40
7.1依頼,見積仕様書及び契約のレビュー 40
7.2 方法の選定,検証及び妥当性確認 41
7.3 サンプリング 42
7.3.1 42
7.3.2 42
7.3.3 42
7.4 分析試験品目の取扱い 43
7.5 技術的記録 44
7.6 測定の不確かきの評価 45
7.7 結果の妥当性の確保 46
7.8 結果の報告 47
7.9 苦情 49
7.10 不適合の業務 50
7.11データの管理及び情報マネジメント 51
8 マネジメントシステムに関する要求事項 52
8.1 品質マネジメントシステム 52
8.2 マネジメントシステムの文書化 54
8.3 マネジメントシステム文書の管理 56
ISO17025 要求事項と文書の対応表 58
リスク及び機会への取組み計画 62
リスク及び機会への取組み計画 63
8.4 記録の管理 64
品質文書及び記録一覧表 65
8.5リスク及び機会に取り組むための処置 70
8.6 改善 71
8.7 是正処置 72
8.8 内部監査 73
8.9 マネジメントレビュー 74
品質マネジメントシステム体系図 75

0.制定の目的

この品質マニュアルは〇〇〇〇株式会社 食品分析センター(以下食品分析センターという)で分析試験所として行う業務が工業標準化法の規定に基づき①JAB登録の認定を受けるための手順及び権利と義務(試験所・校正機関) (JAB RL200:2019)(JIS Q 17025:2018/ISO/IEC17025:2017(以下ISO17025 という)を採用)② 技能試験の参加及び実施に関する方針(JAB RL230:2017)③ 測定のトレーサビリティについての指針(JAB RL331:2017)に関する方針の基準の要求事項を満たし(試験業務に係わる適正な技術的能力の保持・試験作業に用いる参照標準等のトレーサビリティの整備を満足)食品分析センターの分析試験技術者に食品分析センターのマネジメントの考えが理解され、分析試験業務を効果的に行うためのマネジメントシステムの構築と運用及びその継続的改善を行うこと及び分析試験室の信頼性を高めるため、また分析試験室の登録のために要求事項に従って運営されていることを示すことを目的として制定する。

【品質マニュアルの見直し・改訂・管理の方法】

(1)品質マニュアルは品質管理者が作成しセンター長が承認する。

(2)配付管理は「品質・技術管理規定第15章文書管理(8.3)」に従い品質管理者が実施

する。

(3)本品質マニュアルの原本は品質管理者が保管する。

(4)本品質マニュアルの無断コピーは厳禁とする。

(5)利害関係者からの要請により社外に開示する場合は、品質管理者の承認を得て行う。この場合は非管理文書(「非管理文書」の印を押す)として扱う。

(6)品質マニュアルを改訂(変更を含む)する場合は、品質管理者が改訂案を作成し、センター長が承認する。

(7)品質マニュアルの発行・改訂に関する実務は品質管理者が担当する。

3.用語及び定義                                                      

当食品分析センターのマネジメントシステムで用いる主な用語及び定義は、JIS Q 9000・JIS Q 17000 及びVIM による。また、このマニュアルを分かりやすくするために下記に主な用語及び定義について記載する。

(1)ISO/IEC17025

国際標準化機構によって策定された、試験所及び校正機関に関する一般要求事項の国際標準規格

である。

(2)マネジメントシステム

試験所の運営を統括する管理上・技術上のシステム。

(3)規格の要求事項

ISO の規格に規定された要求事項のこと。

(4)顧客

試験依頼者又は顧客委託者(例えば生コン工場)。

(5)試験

手順に従って特性を明確にすること。

(6)試験室

自社の食品分析センターをいう。

(7)適合性

要求事項を満たしている状態。

(8)経営資源

人・物・財のことをいう。

(9)要員

試験の品質に影響がある仕事に従事する人的資源、分析試験技術者をいう。

(10)管理主体

センター長をいう。

(11)方針

あることに対するガイド・考え方。

(12)手順

方針についての具体的な流れ。

(13)技術管理主体

試験事業に対する技術上の総合的な責任を有する人で、当食品分析センターでは技術管理者をいう。

(14)品質管理者

食品分析センターの品質マネジメントシステムとその実施に責任があり、この役割においてセンター長に直接報告する人をいう。

(15)トップマネジメント

センター長をいう。

(16)コミュニケーション

品質マネジメントシステムに関する人間とのコミュニケーションをとること。

(17)プロセス

仕事はいくつかの項目や要素から成り立っており、その一つ一つを「プロセス」と考える。

(18)有効性

計画した活動が実行され、計画した結果が達成された程度。

(19)文書化

情報を保持する媒体にすること。

(20)品質方針

センター長によって正式に表明された品質に関する食品分析センターの全体的な意図及び方向付け。

(21)品質目標

品質に関して追求し目指すもの。

(22)マネジメントレビュー

品質方針及び目標に関連する品質マネジメントの適切性・妥当性・有効性及び効率性に対する専務

理事による正式な系統的評価。

(23)コミットメント

センター長が品質マネジメントシステムの計画・実施・改善に積極的に関与していること並びに

その状態のこと。

(24)要求事項

明示されている・通常暗黙のうちに了解されている、もしくは、義務として要求されているニーズ

または期待。

(25)文書

情報及びそれを保存する媒体。

(26)苦情

顧客又はその他の利害関係者から受けた不満足の表明。

(27)不適合

要求事項を満たしていないこと。

(28)是正処置

検出された不適合又はその他の検出された望ましくない状況の原因を除去するための処置。

(29)予防処置

起こり得る不適合又はその他の望ましくない起こり得る状況の原因を除去するための処置。

(30)記録

達成した結果を記述した、又は、実施した活動の証拠を提供する文書。

(31)技術的記録

試験を実施することによって得られ、又、規定された品質パラメータ又はプロセス・パラメータが

達成されたかどうかを示すデータと情報の集積である。

(32)分析試験結果証明書

試験の結果及び試験に関するその他の情報を記録したもの。

(33)内部監査

監査基準が満たされている程度を判定するために監査証拠を収集し、それを客観的に評価する

ための体系的で独立し文書化したプロセス。

(34)監査の所見

収集された監査証拠を監査基準に対して評価した結果。

(35)技能試験

試験所間の比較による事前に決めた基準に照らしての分析試験技術者の試験測定のパフォーマン

ズの評価。

(36)顧客からのフィードバック

顧客からの苦情や情報など顧客からサービスに関する意見など。

(37)教育訓練のニーズ

試験事業の維持管理、又は技術の向上を求めるもの。

(38)技術的要求事項

試験の結果に影響する施設及び環境条件など。

(39)測定の不確かさ

合理的に測定量に結びつけられ得る値のばらつきを特徴づけるパラメータ。

(40)試験範囲

(1)適用範囲(2)適用する試験事業と活動に規定している試験範囲をいう。

(41)校正測定能力

国際度量衡委員会が定めたものであって、ある測定量の一つの単位又は一つ以上の値を実現する

計量器の試験等を実施する場合、又は該当する量の測定のために使用される計量器の試験等を実

施する場合において登録等の範囲の内で達成できる測定の最小不確かさ。

(42)統計的手法

監視・測定・食品分析・改善のプロセスのために用いる手法であり、変動を食品分析することに

より試験室が問題を解決し有効性と効率を改善するために役立てるものである。

(43)妥当性確認

客観的証拠を提示することによって妥当性を確認すること。

(44)施設

試験を行う試験施設をいう。

(45)設備

施設・試験用機器以外の分析試験設備。

(46)常用参照標準

特定二次標準器に連鎖して校正された試験用標準器(JCSS又はA2LA 校正証明書付きの温度計、

ブロックゲージ、分銅等)であって食品分析センターの保有する最上位の標準器。

(47)測定

ある量に合理的に結び付けることが可能な一つ以上の量の値を実験的に得るプロセス。

(48)分析試験用機器

分析試験に使用する器具、機械又は装置であって試験の結果に直接影響を及ぼすもの。

(49)管理用機器

分析試験用機器(常用参照標準を含む)の維持管理に使用する機器。

(50)分析試験用支援機器

分析試験に使用する器具、機械又は装置であって試験の結果に直接影響を及ぼさないもの。

(51)改善の機会

不適合ではないが、システム改善のために何らかの対応が望ましいと監査員が判断した事象のこと。

(52)公表された方法 国際規格,地域規格若しくは国家規格のいずれかにおいて公表された方法,定評ある技術機関が公表した方法,関連する科学文献若しくは定期刊行物において公表された方法,又は設備の製造業者が指定する方法。

(53)公示試験法 官庁の告示・通知・事務連絡等で示された方法。

8 マネジメントシステムに関する要求事項

8.1 品質マネジメントシステム

(1)食品分析センターは、JIS Q 17025:2018試験所及び試験機関の能力に関する一般要求事項により、分析試験活動においてマネジメントシステムを確立・文書化・実施・維持し、継続的に改善する。

(2)JIS Q 17025:2018要求事項をどのように満たすかをこの品質マニュアルに示す。

(3)マネジメントシステム文書は分析試験技術者に周知され理解され、いつでも利用できる状態におかれ、かつ実施する。

(4)この品質マニュアルに次の事項を含む。

①「品質方針」(食品分析センターの高水準の品質を実現・維持・継続的に改善するというセンター長のコミットメントを明確にする)

②品質に影響する作業を管理・実施・検証又はレビューする。分析試験技術者の責任と権限及び

相互関係を「〇〇株式会社組織図」「食品分析センター組織図」「品質マネジメントシステム

体系図」「責任分担マトリックス表」で明確にする。

  • マネジメントシステム・手順「品質マネジメントシステム体系図」で明確にする。
  • マニュアルの見直し・改訂・管理の方法

⑤ISO17025規格への適合性を守り、マネジメントシステムの有効性を継続的に改善するという当食品分析センターの食品分析センターのコミットメントを「品質方針」によって明確にする。

(5)マネジメントシステムに必要なプロセス及びそれらの当食品分析センターへの適用範囲は、本品質マニュアル「1. 適用範囲」及び「品質マネジメントシステム体系図」で明確にする。

(6)これらのプロセスの順序及び相互作用についても、「品質マネジメントシステム体系図」で明確にする。

(7)これらのプロセスの運営及び管理が効果的であることを確実にするために必要な判断基準及び方法については、本品質マニュアル及び「品質・技術管理規定」及び「標準作業手順書」「不確かさの推定手順書」に明記する。

(8)これらのプロセスの運営及び監視の支援をするために必要な資源及び情報については、本品質マニュアル「品質・技術管理規定」「標準作業手順書」「不確かさの推定手順書」で利用できることを確実にする。

(9)これらのプロセスの運用を監視し適用可能な場合には測定・食品分析について、「品質マニュアル」「品質・技術管理規定」「標準作業手順書」「不確かさの推定手順書」で明確にし,確実に実施する。

(10)これらのプロセスの実施については、計画通りの結果が得られるようにかつ、継続的改善が達成されるための必要な処置をとる。また食品分析センターはこのISO17025の要求事項に従ってこれらのプロセスを運営管理する。

(11)食品分析センター及びその状況の理解

食品分析センターは,食品分析センターの目的及び戦略的な方向性に関連し,かつ,その品質マネジメントシステムの意図した結果を達成する当〇〇株式会社の能力に影響を与える,外部及び内部の課題を「食品分析センター会議」において決定し,「外部及び内部の課題検討表」に明確にする。

また,これらの外部及び内部の課題に関する情報は日々監視し,「食品分析センター会議」や「マネジメントレビュー」にてレビューする。見直し時には,「外部及び内部の課題検討表」を改訂する。

(12)利害関係者のニーズ及び期待の理解

次の事項①②は,顧客要求事項及び適用される法令・規制要求事項を満たした試験サービスを一貫して提供する当〇〇株式会社の能力に影響又は潜在的影響を与えるため,これらを「食品分析センター会議」にて決定し,「利害関係者及びその要求事項一覧表」に明確にする。

  • 品質マネジメントシステムに関連する利害関係者
  • 品質マネジメントシステムに密接に関連するそれらの利害関係者の要求事項

③食品分析センターは,これらの利害関係者及びその関連する要求事項に関する情報を日々監視し,毎月の「食品分析センター会議」や「マネジメントレビュー」にてレビューする。また,利害関係者及びその関連する要求事項に関する情報の見直しが行われた場合には,「利害関係者及びその要求事項一覧表」を改訂する。

※利害関係者のニーズ及び期待(要求事項)とは,試験サービスに対する要求事項のことではなく,利害関係者が食品分析センターに対するニーズ及び期待のことです。

(13)品質マネジメントシステムの適用範囲の決定

食品分析センターは,品質マネジメントシステムの適用範囲を定める。

この適用範囲を決定するとき,当〇〇株式会社は,次の事項を考慮した。

  •  組織及びその状況の理解に規定する外部及び内部の課題(上記(8))

② 利害関係者のニーズ及び期待の理解に規定する,密接に関連する利害関係者の要求事項

(上記(9))

  • 食品分析センターの試験サービス

食品分析センターの品質マネジメントシステムの適用範囲は,当マニュアルの「1.適用範囲」に明記し,文書化した情報として利用可能な状態にし,維持する。適用範囲では,対象となる試験サービスの種類を明確に記載した。

   関連する文書  「品質・技術管理規定」「標準作業手順書(ST-1)」

「不確かさの推定手順書(FT-1)」「外部及び内部の課題検討表」

           「利害関係者及びその要求事項一覧表」

8.2 マネジメントシステムの文書化

(1)マネジメントシステムの文書体系

食品分析センターにおけるマネジメントシステムに必要な文書を、「品質マネジメントシステム体系図」及び「ISO17025要求事項と文書の対応表」「品質文書及び記録一覧表」に示す。

またマネジメントシステムの文書には次の事項を確実に表記する。

  • 文書化した「品質方針」及び「品質目標」
  • 品質マニュアル
  •  ISO17025が要求する“文書化された手順”及び 「IS0 17025要求事項と文書の対応表」
  • 当食品分析センターのプロセスの効果的な計画と運用及び管理を確実にするために食品分析センターが必要と判断した文書。「IS0 17025 要求事項と文書の対応表」を参照。

⑤ISO 17025 規格が要求する記録  「品質文書及び記録一覧表」を参照。

(2)品質方針の確立及び伝達

センター長は,次の事項を満たす品質方針を「品質・技術管理規定 第14章 品質方針(8.2)」に従い,「品質方針」(当品質マニュアルの表紙裏面参照)を確立し,実施し,維持する。

  • 当〇〇株式会社の目的及び状況に対して適切であり,当〇〇株式会社の戦略的な方向性を支援

する。

  • 品質目標設定のための方向性を示す。
  • 適用される要求事項を満たすことへのコミットメントを含む。
  • 品質マネジメントシステムの継続的改善へのコミットメントを含む。
  • 文書化して利用可能な状態にし,維持する。
  • 食品分析センター内に伝達され,理解され,適用する。
  • 利害関係者がホームページで閲覧できるようにします。

⑧ センター長はマネジメントシステムの構築及び実施ならびにその有効性を継続的に改善することに対するコミットメントを「品質方針」で明確にする。

(3) 品質目標及びそれを達成するための計画策定

品質目標設定の手順について,「品質・技術管理規定 第15章 品質目標及び達成計画(8.2)」に定める。

  • 食品分析センターは,品質マネジメントシステムに必要な,品質目標を「品質目標計画・達成報告書」に確立する。
  • 品質目標は,次の事項を満たす。

-品質方針と整合している。

-測定可能である。

-適用される要求事項を考慮に入れる。

-試験サービスの適合,並びに顧客満足の向上に関連している。

-監視する。

-伝達する。

-必要に応じて更新する

  • 食品分析センターは,品質目標に関する「品質目標計画・達成報告書」を保管する。
  • 食品分析センターは,品質目標をどのように達成するかについて計画するとき,次の事項を「品質目標計画・達成報告書」で決定する。

-実施事項

-必要な資源

-責任者

-実施事項の完了時期

-結果の評価方法

(4)センター長は法律規制要求事項を満たすことは当然のこととして、顧客要求事項を満たすことの重要性を分析試験技術者に周知する。

(5)センター長はマネジメントシステムの変更を計画し実施するときに、そのマネジメントシステムの“完全に整っている状態”が維持されることを確実にする。

 関連する文書

「品質・技術管理規定 第14章 品質方針(8.2)」

「品質・技術管理規定 第15章 品質目標及び達成計画(8.2)」

       「品質目標計画・達成報告書」

8.3 マネジメントシステム文書の管理

(1)食品分析センターは,JIS Q 17025:2018(ISO/IEC 17025:2017)要求事項に適合した試験機関の運営業務を提供するために、次の事項を記述した

品質マニュアルを文書管理(8.3)等の定めに従い作成し維持管理する。

(2)この規格を満たすことに関係する内部文書及び外部文書を管理する。

(3)食品分析センターのマネジメントシステムの文書体系と種類

①品質マニュアル(品質方針を含む)

   当〇〇株式会社のマネジメントシステムの概要を記述した文書

品質・技術管理規定-ISO規格が要求している

文書化された手順と当食品分析センターが必要と判断した文書

   

分析試験方法等の手順書ほか

分析試験担当者に具体的に指示を与える文書

内部監査チェックリスト,標準作業手順書、

不確かさの推定手順書、社内技能訓練手順書など

外部文書、法令、条令、公的規格、基準、取扱説明書、指針、仕様書、標準図書等の

外部から入手する文書。帳票様式 (未記入の帳票)

④記録 報告書 議事録

(4)マネジメントシステム及びこのマニュアルで必要とされる文書(「内部文書リスト一覧表」「外部文書リスト一覧表」)は管理します。

「記録を除く文書」について、(3)a)~h)項について管理する手順を設けます。

文書管理の基本は「必要な文書の適切な版が必要な部署で活用できる」状態にあります。

その意味では8.3.2 d)が重要です。このために必要な他の要求事項も定めます。

(5)文書の管理及び維持に関する責任は、品質管理者にあります。

(6)食品分析センターは,次の事項を「品質・技術管理規定 第16章 文書管理(8.3)」に定め確実にする。

①すべてのマネジメントシステム文書は、文書の承認者が発行前に、適切であるか否かの観点から文書を承認する。

②文書の作成者は、内部監査、マネジメントレビュー等を通じて文書の見直しを行う。

見直しの結果、問題があれば文書を改定し、定める承認者の承認を得る。

  • 品質文書の変更内容の識別及び現在の改訂版の識別を「改訂履歴の作成」や「内部文書管理台帳」の管理等による適切なシステムのもとで確実にする。

文書の再発行の期間までに手書きによる文書の修正は行わない。修正箇所は、明瞭に表示し署名及び日付をつける。そして、なるべく早く改訂文書を正式に再発行する。

電子媒体で保存されている文書管理は、パスワードの設定により権限を与えられた

分析試験技術者以外は変更のアクセスが出来ないようにする。この変更に対する審査・承認については各文書の規定と同様に取り扱うものとする。

  • 該当する品質文書の適切な版が必要なときに、必要なところで使用できることを確実にする。
  • 読みやすく識別が容易にできることを確実にする。

⑥どれが外部で作成された文書(例えば、JAB基準類・法令・JIS規格・GUM・取扱説明書など)であるかを「外部文書リスト一覧表」で明らかにする。外部文書の配布はしないが、貸出する場合には「外部文書管理台帳」で管理を確実に行う。

  • 廃止(旧版となった)文書が誤って使用されないように廃止文書は撤去するか、撤去しない

でこれらを何らかの目的で保持する場合には「旧版」と表示し識別する。

関連する文書   

「品質・技術管理規定 第16章 文書管理(8.3)」「内部文書リスト一覧表」

「内部文書管理台帳」「外部文書リスト一覧表」「外部文書管理台帳」

ISO17025 要求事項と文書の対応表

規格要求事項品質マニュアル品質・技術管理規定標準作業手順書文書及び記録
4.  一般要求事項4.  一般要求事項   
4.1 公平性4.1 公平性  リスク及び機会への取組み計画
4.2 機密保持4.2 機密保持  入室管理記録 入室許可識別カード
5.   組織構成に関する要求事項5.   組織構成に関する要求事項   
5.1  試験室は,独立した,試験所5.1  法的責任をもつ法人  会議議事録
5.2  試験室長の任命5.2  センター長の任命  職務任命書
5.3  適用範囲5.3  適用範囲   
5.4 分析試験活動の要求事項5.4  分析試験活動の要求事項  職務任命書
5.5  組織, 職務及び責任及び権限5.5  組織, 職務及び責任及び権限   
5.6  品質管理者の任命5.6  品質管理者の任命  職務任命書
5.7  コミュニケーション5.7  コミュニケーション第1章コミュケーション(5.7) 会議議事録 コミュニケーション記録 
6.  資源に関する要求事項6. 資源に関する要求事項   
6.1  一般6.1  一般   
6.2  要員6.2  要員第2章 力量、教育・訓練及び認識(6.2) 教育訓練年間計画表 教育訓練実施記録 教育訓練個人記録 有資格者一覧表
6.3  施設及び環境条件6.3  施設及び環境条件第3章 施設及び環境条件(6.3)標準作業手順書(ST-1)  分析試験室点検シート
規格要求事項品質マニュアル品質・技術管理規定標準作業手順書文書及び記録
6.4  設備6.4  設備第4章 設備(6.4) 機器・設備及び薬品台帳:常用参照標準(JAB認定試験) 機器・設備及び薬品台帳:管理用機器(JAB認定試験) 機器・設備及び薬品台帳:試験用機器(JAB認定試験) 機器・設備及び薬品台帳:試験用支援機器 機器・設備及び薬品台帳:薬品 分析試験室点検シート 入室管理記録
6.5  計量トレーサビリティ6.5  計量トレーサビリティ第5章 計量トレーサビリティ JCSS認定シンボル付き校正結果証明書 校正結果証明書(分析試験結果) トレーサビリティ体系図 校正用機器等日常・点検表
6.6  外部から提供される製品及びサービス6.6  外部から提供される製品及びサービス第6章 外部から提供される製品及びサービス)(6.6) 取引先評価表 取引先再評価表 取引先台帳 見積書 各機器のJCSSロゴ付 分析試験結果証明書,分析試験結果
7.   プロセスに関する要求事項7.   プロセスに関する要求事項   
規格要求事項品質マニュアル品質・技術管理規定標準作業手順書文書及び記録
7.1  依頼,見積仕様書及び契約のレビュー7.1  依頼,見積仕様書及び契約のレビュー第7章 依頼、見積仕様書及び契約のレビュー(7.1) 〇〇分析試験依頼書 〇〇分析試験依頼書 分析試験受付表 不適合報告書 分析試験料金表 外部顧客試験担当表
7.2  方法の選定,検証及び妥当性確認7.2  方法の選定,検証及び妥当性確認 標準作業手順書(ST-1)分析試験作業予定表 分析試験室点検シート バックデータシート(〇〇) バックデータシート(〇〇) バックデータシート(〇〇) バックデータシート(〇〇) バックデータシート(〇〇) バックデータシート(〇〇)
7.3  サンプリング7.3  サンプリング   
7.4  試験品目の取扱い7.4  試験品目の取扱い第8章 試験品目の取扱い(7.4)標準作業手順書(ST-1)試験依頼書 試験受付表 不適合報告書
7.5  技術的記録7.5  技術的記録 標準作業手順書(ST-1)  分析試験作業予定表 分析試験室点検シート バジェットシート 分析試験結果 技能試験記録
7.6  測定の不確かさの評価7.6  測定の不確かさの評価 不確かさの推定手順書(FT-01)バジェットシート 分析試験結果
規格要求事項品質マニュアル品質・技術管理規定標準作業手順書文書及び記録
7.7  結果の妥当性の確保7.7  結果の妥当性の確保第9章 分析試験結果の品質の保証(7.7) 技能試験参加計画(5カ年計画) 技能分析試験結果報告書
7.8  結果の報告7.8  結果の報告第10章 結果の報告(7.8) 第22章 標章及び/又はJAB認定シンボルの使用方法 〇〇分析試験結果報告書 〇〇分析試験結果報告書 〇〇分析試験結果報告書 〇〇分析試験結果報告書 〇〇分析試験結果報告書 〇〇分析試験結果報告書 〇〇分析試験結果報告書 〇〇分析試験結果報告書
7.9  苦情7.9  苦情第11章 苦情(7.9) 不適合報告書 是正処置報告書 苦情受付対応記録
7.10  不適合の業務7.10  不適合の業務第12章 不適合の業務(7.10) 不適合発生報告 是正処置報告書
7.11  データの管理及び情報マネジメント7.11  データの管理及び情報マネジメント第13章 データの管理及び情報マネジメント(7.11) 情報マネジメントシステム変更届  
規格要求事項品質マニュアル品質・技術管理規定標準作業手順書文書及び記録
8.   マネジメントシステム要求事項8. マネジメントシステム要求事項   
8.1  一般8.1  一般 標準作業手順書(ST-1) 不確かさの推定手順書(FT-1)外部及び内部の課題検討表 利害関係者及びその要求事項一覧表
8.2  マネジメントシステムの文書化8.2  マネジメントシステムの文書化第14章 品質方針(8.2) 第15章 品質目標及び達成計画(8.2) 品質方針 品質目標 品質目標計画・達成報告書
8.3  マネジメントシステム文書の管理8.3  マネジメントシステム文書の管理第16章 文書管理(8.3) 内部文書リスト一覧表 外部文書リスト一覧表 外部文書管理台帳
8.4  記録の管理8.4  記録の管理第17章 記録の管理(8.4) パスワード管理台帳
8.5  リスク及び機会に取り組むための処置8.5  リスク及び機会に取り組むための処置第18章 リスク及び機会への取組み(8.5) リスク及び機会の検討結果表 リスク及び機会への取組み計画
規格要求事項品質マニュアル品質・技術管理規定標準作業手順書文書及び記録
8.6  改善8.6  改善  品質目標計画・達成報告書 内部監査実施報告書 是正処置報告書 マネジメントレビュー記録  改善提案書及び報告書 リスク及び機会への取組み計画 技能分析試験結果記録 顧客満足調査表 会議議事録 コミュニケーション記録 データ収集食品分析 評価表
8.7  是正処置8.7  是正処置第19章 是正処置(8.7) 不適合報告書 是正処置報告書
8.8  内部監査8.8  内部監査第20章 内部監査(8.8) 内部監査実施計画書 内部監査チェックリスト 内部監査報告書 是正処置報告書 資格者一覧表
8.9  マネジメントレビュー8.9  マネジメントレビュー第21章 マネジメントレビュー(8.9) マネジメントレビュー記録

8.4 記録の管理

(1)食品分析センターは,品質マネジメントシステムへの適合、規格要求事項への適合さらにシステムを運用して達成された結果の適合を示すために必要なものは記録にします。

(2)このことを実証するための読みやすい記録を「品質文書及び記録一覧表」に示し,保持する。

(3)食品分析センターは,記録の識別,保管,保護,バックアップ,アーカイブ,検索,保持期間及び廃棄のために必要な管理を「品質・技術管理規定 第16章 記録の管理(8.4)」に定め,実施する。

(4)食品分析センターは,契約上の義務に準じた期間にわたって記録を保持する。記録は読みやすく何の記録であるのか識別ができ、どの活動、サービスの記録であるのかなど、トレースができるようにします。

これらの記録へのアクセスは,機密保持のコミットメントに準じなければならない。

(5)技術的記録に関する管理については,7.5に記載する。

(6)電子データの管理については、電子的に保存されている記録をバックアップする媒体は管理サーバーとする。電子データはパスワードにより保護され、無許可のアクセス又は修正を防止する。パスワードは「パスワード管理台帳」で管理する。

関連する文書

「品質・技術管理規定 第16章 記録の管理(8.4)」

「パスワード管理台帳」

品質文書及び記録一覧表

  貴社で採用されている記録に書き直して下さい。

規格番号No品質文書及び 記録一覧表ファイル 番号管理番号保管部署保管年数文書と記録の区分
リスク及び機会の取組み計画  品質管理者4年文書
会議議事録  品質管理者4年記録
コミュニケーション記録  品質管理者4年記録
教育訓練年間計画表  技術管理者4年文書
教育訓練実施報告書  技術管理者4年記録
教育訓練個人記録  技術管理者4年記録
有資格者一覧表  品質管理者4年文書
入退出管理記録  技術管理者4年記録
分析試験室点検シート  技術管理者4年記録
10パスワード管理台帳  品質管理者4年文書
11機器・設備及び薬品台帳:常用参照標準(JAB認定試験)  技術管理者4年文書
12機器・設備及び薬品台帳:管理用機器(JAB認定試験)  技術管理者4年文書
13機器・設備及び薬品台帳:試験用機器(JAB認定試験)  技術管理者4年記録
14機器・設備及び薬品台帳:試験用支援機器  技術管理者廃棄後4年記録
 No品質文書及び記録一覧表ファイル 番号管理番号保管部署保管年数文書と記録の区分
15機器・設備及び薬品台帳:薬品  技術管理者4年文書
16常用参照標準設備日常・定期点検表  技術管理者4年記録
17JCSS認定シンボル付分析試験結果証明書  技術管理者4年文書
18トレーサビリティ体系図  技術管理者4年文書
19取引先評価表(常用参照標準の試験機関、試験用機器及び設備)  技術管理者4年記録
20取引先評価表 (施設,その他)  技術管理者4年記録
21取引先再評価表  技術管理者4年記録
22取引先台帳  技術管理者4年文書
23購入依頼請求書  技術管理者4年記録
24物品購入伺い  技術管理者4年記録
25納品書(受入)  技術管理者4年記録
26食品分析試験見積依頼書  技術管理者4年記録
27放射能分析試験見積依頼書  技術管理者4年記録
28〇〇分析試験見積依頼書  技術管理者4年記録
29試験料金表  技術管理者4年記録
30受付台帳  技術管理者4年記録
 No品質文書及び記録一覧表ファイル 番号管理番号保管部署保管年数文書と記録の区分
31バックデータシート(水分)  技術管理者永久記録
32バックデータシート(たんばく質)  技術管理者4年記録
33バックデータシート(脂質)  技術管理者4年記録
34バックデータシート(炭水化物)  技術管理者4年記録
35バックデータシート(エネルギー)  技術管理者4年記録
36バックデータシート(Na)  技術管理者4年記録
37バジェットシート  技術管理者4年記録
38分析試験作業計画書  技術管理者4年記録
39技能試験記録  技術管理者永久文書
40分析試験結果証明書発行台帳  技術管理者4年文書
41食品分析試験結果報告書  技術管理者4年記録
42〇〇分析試験結果報告書   技術管理者4年記録
43〇〇分析試験結果報告書  技術管理者4年記録
44〇〇分析試験結果報告書  技術管理者4年記録
45登録事業者報告書(JAB様式)  品質管理者4年記録
46苦情受付対応記録  品質管理者4年記録
 No品質文書及び記録一覧表ファイル 番号管理番号保管部署保管年数文書と記録の区分
47登録事業者報告書(JAB様式)  品質管理者4年記録
48苦情受付対応記録  品質管理者4年記録
49不適合報告書  技術管理者4年記録
56  情報マネジメントシステム変更届  品質管理者4年記録
51品質方針  品質管理者最新版管理文書
52外部及び内部の課題検討表  品質管理者4年記録
53利害関係者及びその要求事項一覧表  品質管理者4年文書
54品質目標計画・達成報告書  品質管理者4年文書・記録
55法令及びその他の要求事項一覧  品質管理者4年文書
56内部文書リスト一覧表  品質管理者4年文書
57内部文書管理台帳  品質管理者4年記録
58外部文書リスト一覧表  品質管理者4年文書
59外部文書管理台帳  品質管理者4年記録
60リスク及び機会検討結果表  品質管理者4年記録
61リスク及び機会の取組み計画  品質管理者4年文書
62改善提案書及び報告書  品質管理者4年記録
63データ収集食品分析評価表  品質管理者4年記録

  

 No品質文書及び記録一覧表ファイル 番号管理番号保管部署保管年数文書と記録の区分
64是正処置報告書  品質管理者4年記録
65個人経歴  総務退職後3年記録
66内部監査実施計画書  品質管理者4年文書
67内部監査チェックリスト  品質管理者4年文書
68内部監査報告書  品質管理者4年記録
69是正処置報告書  品質管理者4年記録
70資格者一覧表  品質管理者4年文書
71マネジメントレビュー記録  品質管理者4年記録

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